[企業年金積立不足論]年金積立額不足ランキングに異議あり

HOME > + 財務図表 > 企業年金積立論 > 年金積立額不足ランキングに異議あり

目次

第1部　積立不足額ランキングに異議あり
第2部　引当金が多い≠リストラに備えている
第3部　JALの企業年金で基本を理解しよう
第4部　陸運、海運、空運の企業年金を見てみよう

財務先生からのお知らせ

2012年度3月期 企業年金ギャラリー（短信ベース）を2012.05.11以降、順次公開予定です。

企業年金ギャラリーはこちら

企業会計基準委員会（ASBJ）が、2012.05.10に積み立て不足額（≒未認識分）の一括計上を決議しました。決議の内容は、Webcastで見ることができます。

第243回企業会計基準委員会

企業会計基準委員会（ASBJ）が、2012.05.17に退職給付に関する会計基準の改正を公表しました。

企業会計基準第26号
「退職給付に関する会計基準」及び
企業会計基準適用指針第25号
「退職給付に関する会計基準の適用指針」の公表

詳しくはこちら

年金が不安なイマドキの若者、ずん太です。

先生、経済紙や経済週刊誌で企業年金の積立不足ランキングを見たんですが、優良企業が並んでいてビックリしました。

当たり前じゃ。
積立不足"額"ランキングじゃからの。従業員が多い企業が上位に来るのは当然。

"率"で計算すれば、母数が小さい中堅企業がランクインすると思うぞ。

では、どうやって判断すればいいんでしょうか？

そうじゃの、株主資本か利益剰余金と比べるとよい。

　「未積立額÷利益剰余金×100（％）」

この計算で、不足額をバランスシートに乗せたときの影響度合いが分かる。

何故、利益剰余金なんですか？

積立不足額を貸借対照表に載せる場合は、「退職給付引当金」に計上することになる。

引当金の相手科目はなんじゃったかの？

えーっと、確か・・・。相手科目は「退職給付費用」で"費用"になります。

うむ、その通りじゃ。


収益がそのまま、費用が増加（損益計算書）
　　↓
当期純利益が減少（損益計算書）
　　↓
利益剰余金が減少（貸借対照表）

貸借対照表の変化としては、負債が増え、その増加分だけ純資産が減少することになる。
実際には、税効果会計と呼ばれる基準も適用されるため、もう少し複雑になるのじゃ。

前口上が長くてすまんのぅ。
第3部までが一連の解説となるので、時間の許す限り第3部までは読んでほしい。

• 第1部　積立不足額ランキングに異議あり
• 第2部　引当金が多い≠リストラに備えている
• 第3部　JALの企業年金で基本を理解しよう
• 第4部　陸運、海運、空運の企業年金を見てみよう

こんな記事を見つけました。
日経新聞 朝刊 投資・財務面連動◇年金積み立て不足、歴史ある会社ほど負担重く(09/12/9)

この記事では、次のように計算しています。
　「積み立て不足／自己資本[％]」